2013年11月15日金曜日

131103地質標本館を楽しもう!

11/3(日)13:30~
いっしょに楽習会~おでかけ楽習会は、ブラインド/触常者のTさん含め5人で地質標本館へ行きました。

地球のなりたち、日本の地質、地震や火山、さまざまな資源や岩石・鉱物・化石の紹介をしている産業技術総合研究所・地質標本館。
今回は、期間限定で公開されていた標本にちなみ、「地震」をテーマに、専門家の方お二人にご案内いただきました。

ホールで天井展示物の解説を聞く
吹き抜けホール天井には日本列島の地震の発生位置・大きさをランプで示したもの。
太平洋側から日本海に向かって深くなっている様子から、プレートが沈み込み、その付近で地震が起きていることが理解できます。

期間限定で公開されていたのは、西暦869年の貞観(じょうがん)地震による津波堆積物の実物標本。
高さ230㎝もある標本にくっきり、歴代の堆積物が層になっているのがみえ、一層一層について解説頂きました。
貞観の津波の後にも津波堆積物の層があり、東日本大震災のものもあるそうです。

東日本大震災の津波堆積物の標本を、板にはりつけ、触ってわかるようにしたものを用意くださり、層になっている様子をTさんが触察しました。

両手で触察するTさん
ホール中庭にある褶曲のレプリカ。
その現地では、東北地方太平洋沖地震の影響で地盤が1.2メートルも下がったそうです。
こちらも、褶曲の様子を表した触察パネルを作成くださり、Tさんとも共有できました。

白黒の砂で縞状になっているパネルを触察
ホールにある新しい展示「糸魚川-静岡構造線活断層系」地層の実物標本は、高さが4m以上もあり、圧巻。断層の境をはさみ、左右で地層のずれていることがわかります。

地震で液状化が起きる仕組みをペットボトルの模型で説明頂きました。

液状化の仕組みを模型と解説で学ぶ
地下の緩い層が水とともに地震の揺れで下から噴き上げて地表に達するペットボトル模型の様子を見、解説をきいた後、2Fにある「液状化層の地層はぎ取り標本」へ。

背丈の倍近くある巨大な標本の前で
ゆるい層から地表に向かってまっすぐ噴出している様子がよくわかりました。

こちらでは、地層標本の模式図に、紐など使い、層の境が触ってわかるように工夫されたパネルを用意頂き、Tさんはそれを触りながらお話を聞いていました。

パネルを触察中
地震がテーマの展示見学の途中で、実際の地震が起きてみんなでびっくり。地震の実物まで体験・体感する見学会となりました。
触察できる標本やパネルを準備頂いたおかげで、また順路も組み立てていただき、とてもわかりやすい解説で、楽しく学ぶことが出来ました。

前半が終了して休憩。
休憩時間には、型と樹脂粘土を用意くださり、
アンモナイト化石のレプリカをつくりました。
1週間程で固まってさわっても大丈夫になるのだそうです。

作るのに夢中で作成中の写真を撮り忘れました・・

完成した後のAさんの笑顔(写真)


 
さわっても大丈夫な化石や岩石の密度のわかる標本も用意いただいて触察しました。


写真:テーブルに一列に並んだ化石・岩石
後半の点字つけは、展示室内の触れる岩石標本について行いました。
どう触察するか、その際どこに点字シールが貼ってあるとよさそうか、Tさんが検討。点字は、職員の方が後日貼ってくださることとなりました。


  写真:誰でも触察できる岩石の展示の前で

その岩石がどこで作られたのかを示すイラストに、やはりテープや砂などで触ってわかるようにしたパネルを準備くださっていました。
こちらのパネルには、Tさんが数字を点字で打ち、


  写真:点字板で点字をうつTさん

実際にさわってきちんと読めるかどうか、紐との位置関係を確認しながら、展示岩石の番号に対応した場所に貼りました。


   写真:紐の位置を確認しながら点字を貼る

解説図の説明を聞きながら、パネルが触ってわかるようになっていることでより理解できるそうです。

Tさんはじめ、参加者のみなさんから「展示の解説もわかりやすく、楽しかった。後半の点字についてのことも、大変有意義な体験だった」との感想がありました。

ご理解と周到なご準備、そして長時間のご案内をいただきました
館長の利光先生、住田さん、ありがとうございました!