2012年5月17日木曜日

4/21日食観察とマルチモーダル図書講演

4月21日(土)13:30~16:00 (13:00受付開始)

いっしょに楽習会~ インクルーシブに いこう ~ 
第1回 
日食観察 誰でも楽しく安全に 「おー・それ・見よ!」  
/見て聞いて触って! マルチモーダル絵本
 「ホシオ君天文台へゆく」を楽しもう

講座概要
つくば市民大学 講座案内
10人の方の参加で高橋淳さんのお話を伺いました。

会場の様子。コの字型でテーブルを囲みPPT上映、向かって左手に講師、右手に手話通訳が立つ


テーブルの上には、紙でできた太陽の模型や、
何かがが入っているらしい箱も。

はじめに、
今日のお話に出てくる専門的な単語について、
漢字と読み方と手話を、参加者全員で確認しました。

ホワイトボードに単語の用紙が並ぶ



目で見て、聞いて、さわって・・
いろいろな方法で、同じ本を「読む」ことができるよう考えて出版された『マルチモーダル図書』。

絵本「ホシオ君天文台へゆく」は、
墨字版(紙に書かれた本)のほかに、

ラジオドラマのような音声版と、
点字の文章と写真や図を表した点字版

という、3つの方法で同時に出版された
「マルチモーダル絵本」です。

点字版をさわってみている


同じ内容で、3つの方法でつくられた絵本。
文章はもちろん、イラスト・写真や図も全部、
「コンテンツの趣旨が同じように伝わるように」の
思いで準備を進められたそうです。

そのために、イラストには文字をかさねない、
絵を文章でどう表すか、写真をどう点々で表したらさわって分かりやすいのか・・・などなどいろいろ考え、
たくさんの工夫をされたそうです。

音声版では、火星の高い高い山を表す「たか~い」という表現で、
高橋さんが考えていれた「たか~い」山の様子と、朗読の声が表す山の様子が同じでないと感じたので、朗読者に声のトーンをかえて読み直してもらったこともあったそうです。

3つの方法の間の工夫についての話なのですが、それはそのまま、見る・触る・聞くという、自分の持っている感覚同士の間のことでもあり、それを改めて見直すという意味でも、大変興味深いお話を聞くことが出来ました。

内容は・・・
宇宙と私たちのつながりを感じさせてくれる素晴らしい絵本です、
ぜひ実物をお手にとって!

後半は、
今年5/21の金環日食について、「わたしの太陽」という意味のイタリア語「おー・それ・見よ!」と題してお話いただきました。
日食の原理をお話頂いた後、実際の太陽と惑星、月の大きさの違いを感じられる模型を使って説明下さり、

ブラインドの方が地球を、高橋さんが月を持って大きさや距離の説明をしています。後ろの赤い布は太陽!


より、実感として宇宙の「距離感」を身近に感じることができました。

また、日食グラスで日食を見る時の注意点や、グラスを使うほかに
「五感を駆使して日食を楽しむ」方法

科学の知識 → ピンホール
耳     → 鳥
顔で見る  → 日差しの強さ
メカで見る → 温度計
心で見る  → みんな一緒に

を教えていただきました。

用意いただいた隕石の実物をさわり、
匂いや重さを感じたりもしました。
高橋さん、五感をフルに使った講座、ありがとうございました!!

参加者の感想


土浦市女性(ろう・見常者)
初めて参加しましたが、視覚障害者・聴覚障害者、その他のいろんな障害のある方々が、健常者のみなさんと一緒に学べる場で、とても勉強になりました。今回は天文学の講座で、手話通訳も付いたので全て内容が分かり、楽しく学べました。音声版の「音声」にはアクセスできないけど今回は、音声版のシナリオと手話通訳で内容が共有できたのが嬉しかった。

埼玉県女性(ろう・見常者)
ユニバーサル的な宇宙の楽しみ方、絵本の作り方についていろいろ考えさせられることがたくさんありました。また、金環日食に向けて、わくわく感が増してきました。点図の絵本、惑星などの模型が興味深かったです。

つくば市女性(聴・見常者)
人も動物も植物も、それに宇宙も同じ仲間だということ、実感しました。
マルチモーダル図書の完成までご苦労されたお話、工夫などとても興味深くお聞きしました。

0 件のコメント: