2012年12月5日水曜日

11月10日(土)地質標本館を楽しもう!

いっしょに楽習会~地質標本館を楽しもう!~

11月10日(日)14:00~16:30
「地質標本館を楽しもう!」

産総研構内の銀杏並木、黄色一色が青空に映える日でした。

集まった参加者5名と、ご案内くださる専門家の方がた、ジオネットワークつくばの「ジオマイスター」の方々、また博物館に実習に来ている方々もご一緒くださり、総勢で14名の方々といっしょに楽しみました。

地球のなりたち、日本の地質、地震や火山、さまざまな資源や岩石・鉱物・化石の紹介をしている産業技術総合研究所・地質標本館。

下見・打ち合わせ段階から、館長さんはじめ多くの専門家の方が関わってくださり、触って分かりやすくするには、また、伝わりやすくするにはどうしたらいいか、立体模型や新たな工夫を大変積極的に考えてくださって当日を迎えました。
今回は、普段の開館では触れない多くの展示物や標本を特別に触りながら見学できます。


はじめに参加者と、ご一緒の方々グループになってもらいお互い自己紹介。
その後、同じグループの人を紹介する「他己紹介」で全員、どんな方たちが今日はご一緒なのか、挨拶しました。


いよいよ展示見学開始。
はじめに、屋外にある、石炭になりきれなかった木の化石「珪化木(けいかぼく)」と、生きている化石「メタセコイア」の木を触察。



次に玄関ホール中央にある、地球の立体模型。
地表が凸凹になっているので山脈や地溝帯、海嶺、海溝がさわってもわかります。



この地球の模型は、太平洋の北側が切り取られていて、地球の内部構造が示されています。
中心から内核、外核、マントル、地殻。
地球のそれぞれの場所の代表的な石を、同じ大きさの立方体にし重さ(密度)がわかる実物を用意くださり、みんなで比較しました。

1.花崗岩 陸の地殻の代表 2.7 g/cc 白い石
2.玄武岩 海の地殻の代表 3.0 g/cc 黒い石
3.カンラン岩 上部マントルの代表 3.3 g/cc 緑の石
4.炭化タングステン 内核(高圧下の鉄)の密度の疑似体験 14.8 g/cc
実際の内核の鉄は,密度が13 g/ccもある
普通の鉄は,7.9 g/cc
ちなみに水の密度は,1.0 g/ccです.

と、標本館の方に教えていただきました。


吹き抜けの部屋のガラスの向こうには巨大な、曲がった地層がみえる岩のレプリカ。「大褶曲」というのだそうです。
束ねた紙を曲げてどうしてそのような形になったのか、わかりやすく説明がありました。

天井には日本列島を地下深くから見上げたような、震源が示された模型があり、日本列島に沈み込むプレートの動きについて説明がありました。
硬い硬い岩盤にも大褶曲が起こるような地下のダイナミックな動きが地震にもつながっている・・・今足元にある‘地球‘のダイナミックな動きを感じるお話でした。

化石の並ぶブースで、巨大なアンモナイトの化石と、生きていた当時の姿を想像して作られた、精巧なアンモナイトの模型を触察。


これは、標本館名物‘アンモナイト階段‘を上る前に実際のアンモナイトをみよう、と案内くださったものでした。


2階の展示室、壁一面、日本列島と太平洋の地形を立体で表したものをさわりながら確認。
それから、プレートの沈み込みを表した立体模型と、沈み込むことで生じる「付加体」についてよくわかる模型を工夫し新しく用意くださり、さわって確認できました。


部屋の真ん中にある太平洋の海底模型を使ってプレートの動きのお話、また、「天皇海山列」がどうやって出来たのかを、口での解説と、目で見て分かりやすい図と模型を使い、お話くださいました。


展示では、最後に火山のお話と、さまざまな火山の石を触察して楽しみました。


終了後の茶話会でも、さわれる化石など用意くださってみんなで楽しみました。


いろんな模型やさわって分かるよう新しくモノをご準備頂いたおかげさまで、専門家の解説のお話とともに大変わかりやすく、「学ぶ楽しさ」に加え、「皆で同じものを共有できる楽しさ」を体験できました。

標本館のみなさん、ありがとうございました!

参加者の感想
kさん(ろう者)
三宅島に行ったこともあります。
火山や地質に興味有り、話聞けて楽しかったです。また来たいです。

Tさん(触常者)
化石は見る機会がなかったので今回見ることができて嬉しかった。
石灰岩は水に溶けるとの話では、実家(沖縄)の庭の沈下に関係しているのかな・・・と思った。

Aさん(車イスユーザー)
一人で見ているのと全然違いよく分かり楽しかった。
地球について学ぶのは感動がある、とても面白かった。

Tさん
今回初めて見学しました。いろいろ学べて楽しかったです。

2012年11月1日木曜日

10/21 地図と測量の科学館を楽しもう!

つくば市民大学 いっしょに楽習会
「地図と測量の科学館を楽しもう!」
10月21日(日)14:00~16:30
(会場 地図と測量の科学館)

秋晴れの行楽日和。14人に参加いただき行いました。

はじめに全員で自己紹介、そのときその日呼んでもらう「あだ名」もつけました。
「ミスターアバウト」
「シャチョー」
お名前と、シャチョーの隣に居たという理由から「ヒラさん」になった人も(笑)

科学館のベテラン解説員の方がご案内くださいました。


はじめに2階のさわる地図(触知図)を見(触)学。


測量用航空機に搭載されていた実物の測量機器も
見(触)学しました。

次は地球の音が筒から聞こえてくる展示。
風の音、火山の音・・・交替で楽しみました。


屋外には、巨大な地球儀を地面に埋め、日本の部分だけ
地上にでているという状態の「ちきゅうひろば」。


球体はかなりの角度でしたが安全確保しつつ
車イスの方も登りました。


平面の地図で見ると小さな小さな日本ですが、
地「球」の上で北海道に立つと沖縄は水平線の向こうでした。

測量用航空機くにかぜをみたり、


聞いたことはあるけど詳しくはわからない「三角点」などが
地中にある実際の様子も、解説と触察で学びました。

科学館の皆さん、ご参加いただいた皆さん、
ありがとうございました!!

参加者の感想

「展示と、解説してもらったおかげでよくわかり、とても楽しかった」

「‘水準点‘など聞いたことはあったけどどんなものか、
どうやって利用するのか、ずっとわからなかったことが
 わかって嬉しかった」(ブラインドの方)

「ちきゅうひろばの丸い地球の上では、巨人になったような気がした」
(車イスユーザー)

2012年9月28日金曜日

120923つくば植物園を楽しもう!

つくば市民大学共催講座
いっしょに楽習会
~筑波実験植物園(つくば植物園)を楽しもう!~

9月23日(日)14:00~16:00

雨にも関わらず8名の方がたに参加頂き行いました。

はじめにあつまっていただいたところ

職員の方の案内で、
屋外では、実用の植物・・・さとうきびや綿など、


詳しいパネルでわかりやすく説明頂いたり、
さわって、さとうきびの幹の太さや葉を感じたりしました。

温室では、落ちていたバナナの雄花とそれをつつんでいた包(ほう)や長く伸びた不思議な赤い花、幹にたくさんついたカカオの花などめずらしい植物をたくさんみました。

ふさふさの長い、赤い花の下で

サバンナ温室の入り口には、手ざわりやにおいを楽しむ植物たちが
机の上に鉢植えでならべてありました。
葉っぱなのにふわふわのもの、
毛がたくさん生えているようなてざわりのもの、
香りのよいもの、
などなど五感で楽しみました。

ふわふわの植物の手ざわりを楽しむ参加者

葉っぱの香りをたのしむ参加者


サバンナ温室では、サボテンのとげに気をつけながら。

温室通路で解説を聞く参加者の皆さん

最後に企画展「助け合う?だましあう?植物vs昆虫展」


透明ケースを何がいるかと覗き込むと、むちむちの芋虫が目の前に居てびっくりしたりしました(>_<)が
植物と昆虫の、攻防したり、助け合ったりという様子がわかりやすく展示されているのを楽しみました。

職員の方の、それぞれの植物の生態の話をききながら、
当たり前のことですが「植物は生き物なんだなぁ、
いろんな「生き方」があってそれぞれすごいものだなぁ」と、
改めて、実感しました。

参加者の感想

・さとうきびがあんなに大きいなんて!実物をみられてよかった。
・いろいろさわってみられてよかった。
・実のなる木がたくさんあったけど、熟したらどうするのか?
 誰か食べるのかな~?手伝いに来ようかな(笑)

ご案内くださった植物園のNさん、
参加くださったみなさん、
ありがとうございました!!

2012年8月19日日曜日

手話で語ろう 宇宙と私たち

2012年7月28日(土)14:00~
いっしょに楽習会~インクルーシブにいこう~
「手話で語ろう 宇宙とわたしたち」
つくば市民大学講座案内

14人(うち、ろうの方6人)に参加いただき行いました。

会場の様子

今回の講師は、
バリアフリー天文絵本の著者、高橋淳さんと、
天体の現象を的確に表した「天文手話」を考えた
聴覚障害者の天文同好会「竜のおとし子星の会」
の飯塚高輝さん(ろう)のお二人。

一般的な手話表現(例 金星=/金/星/)もありますが、 
熱心な天文ファンの飯塚さんたちが考えた「天文手話」は、
天文についての知識があれば「手の中に宇宙が広がる!」
(天文手話にふれて手話学習を始めた人の言葉)
と感じる位、天体の現象を的確に表現しています。

飯塚さんが天文手話を表現

はじめに、今日出てくる単語の手話表現の確認と、
飯塚さんから、金星・土星などの天文手話の、
まずは形のみを教えていただき、
どうしてその形になったのかを、高橋さんの話を
聞きながら考えてみる、ということで進めました。

高橋淳さんから
1 地球とその仲間たち 
     (火星、土星、木星など)
2 太陽系の進化と空間のひろがり 
     (太陽系、隕石、彗星など)
3 ふるさとはいずこに?
のお話を頂き、それぞれのお話の最後に、
話に出てきた天文手話の表現と由来を
改めて飯塚さんから教えていただきました。

みなさんがあらわしているのは’すばる’

高橋さんは、
太陽や惑星の模型や美しい写真を用意くださり
ときにホワイトボードに図示しながら
大変わかりやすくお話くださいました。

ホワイトボードに書きながら説明する高橋さんと
それを聞く参加者

ふるさとはいずこに、での、
水素、ヘリウムなどの物質は、宇宙の進化の過程で生まれたもので、その一部が私たちの身体の中に入っている、なので、その物質をもつすべてが「兄弟」とでもいえる存在、とのお話には、遠い宇宙と自分、そして同じ物質を持っている全てのものと自分がつながっているという不思議さを感じ、みんな同じなんだ優劣などないんだと思いました。

当日参加くださった市民大学スタッフが
当日の様子、感想をブログに載せてくれました。

インクルーシブの工夫
講師の話を一人が手話通訳、専門用語や、
指文字より墨字のほうがわかりやすい単語については、
もう一人がホワイトボードに書くようにしました。

参加者の感想

①講座の感想
②特に印象に残ったこと

つくば市 小学生男子(聴) 
①くわしくて、少しムズカシかった。
②ビッグバンについて

つくば市 小学生女子(聴) 
①くわしくて、とっても楽しかったです。
②はじめて知る事が多くて、勉強になりましたm(_ _)m

つくば市 女性(ろう)
①前半は、小3の子どもたちも楽しめたようです。
 ホワイトボードに書いてくれたのは良かった。

つくばみらい市 男性(聴) 
①手話を使った説明を聞いたりしたことで、少し宇宙のことが
 わかった気がしました。又、手話を習う事が難しいが、
 少し出来た事がありました。
②宇宙の誕生や彗星等の説明

西東京市 女性(聴) 
①宇宙のお話本当に興味深かったです。
 内容もとても面白くて、又是非来たいです。
②太陽のような恒星から星が生まれてきた様子などとても面白かったです。

西東京市 男性(聴) 
①太陽系・銀河・宇宙の関係がとてもよく理解できました。
②宇宙の今後、広がるのか縮むのか、ハワイに計画されている
 30mの望遠鏡の完成が楽しみです。

埼玉県  女性(ろう) 
①137億年というスケールの大きさ、そしてそれを発見した
 人類の科学進歩に度肝を抜かれました。

守谷市 男性(ろう) 
①天文でつかう手話を覚えてよかったと思います。
 また開いて欲しいと思います。

つくば市 女性(聴) 
①宇宙が身近に感じられたお話でよかったと思います。
 時々このような機会があると良いと思います。
②宇宙の最初の時の物質が私たちの体の中に存在している
 という話が聞けたこと。

品川区  10代女性(ろう)
①講座、とても面白かったです。
 いろいろな惑星に行きたいなぁと思いました。

品川区 女性(聴)
①楽しい時間でした。天文はとてもロマンあふれるもので聞けば聞くほど魅力的です。
②すべてのものがHでできていて兄弟!の話はインパクトがありました。

2012年5月17日木曜日

4/21日食観察とマルチモーダル図書講演

4月21日(土)13:30~16:00 (13:00受付開始)

いっしょに楽習会~ インクルーシブに いこう ~ 
第1回 
日食観察 誰でも楽しく安全に 「おー・それ・見よ!」  
/見て聞いて触って! マルチモーダル絵本
 「ホシオ君天文台へゆく」を楽しもう

講座概要
つくば市民大学 講座案内
10人の方の参加で高橋淳さんのお話を伺いました。

会場の様子。コの字型でテーブルを囲みPPT上映、向かって左手に講師、右手に手話通訳が立つ


テーブルの上には、紙でできた太陽の模型や、
何かがが入っているらしい箱も。

はじめに、
今日のお話に出てくる専門的な単語について、
漢字と読み方と手話を、参加者全員で確認しました。

ホワイトボードに単語の用紙が並ぶ



目で見て、聞いて、さわって・・
いろいろな方法で、同じ本を「読む」ことができるよう考えて出版された『マルチモーダル図書』。

絵本「ホシオ君天文台へゆく」は、
墨字版(紙に書かれた本)のほかに、

ラジオドラマのような音声版と、
点字の文章と写真や図を表した点字版

という、3つの方法で同時に出版された
「マルチモーダル絵本」です。

点字版をさわってみている


同じ内容で、3つの方法でつくられた絵本。
文章はもちろん、イラスト・写真や図も全部、
「コンテンツの趣旨が同じように伝わるように」の
思いで準備を進められたそうです。

そのために、イラストには文字をかさねない、
絵を文章でどう表すか、写真をどう点々で表したらさわって分かりやすいのか・・・などなどいろいろ考え、
たくさんの工夫をされたそうです。

音声版では、火星の高い高い山を表す「たか~い」という表現で、
高橋さんが考えていれた「たか~い」山の様子と、朗読の声が表す山の様子が同じでないと感じたので、朗読者に声のトーンをかえて読み直してもらったこともあったそうです。

3つの方法の間の工夫についての話なのですが、それはそのまま、見る・触る・聞くという、自分の持っている感覚同士の間のことでもあり、それを改めて見直すという意味でも、大変興味深いお話を聞くことが出来ました。

内容は・・・
宇宙と私たちのつながりを感じさせてくれる素晴らしい絵本です、
ぜひ実物をお手にとって!

後半は、
今年5/21の金環日食について、「わたしの太陽」という意味のイタリア語「おー・それ・見よ!」と題してお話いただきました。
日食の原理をお話頂いた後、実際の太陽と惑星、月の大きさの違いを感じられる模型を使って説明下さり、

ブラインドの方が地球を、高橋さんが月を持って大きさや距離の説明をしています。後ろの赤い布は太陽!


より、実感として宇宙の「距離感」を身近に感じることができました。

また、日食グラスで日食を見る時の注意点や、グラスを使うほかに
「五感を駆使して日食を楽しむ」方法

科学の知識 → ピンホール
耳     → 鳥
顔で見る  → 日差しの強さ
メカで見る → 温度計
心で見る  → みんな一緒に

を教えていただきました。

用意いただいた隕石の実物をさわり、
匂いや重さを感じたりもしました。
高橋さん、五感をフルに使った講座、ありがとうございました!!

参加者の感想


土浦市女性(ろう・見常者)
初めて参加しましたが、視覚障害者・聴覚障害者、その他のいろんな障害のある方々が、健常者のみなさんと一緒に学べる場で、とても勉強になりました。今回は天文学の講座で、手話通訳も付いたので全て内容が分かり、楽しく学べました。音声版の「音声」にはアクセスできないけど今回は、音声版のシナリオと手話通訳で内容が共有できたのが嬉しかった。

埼玉県女性(ろう・見常者)
ユニバーサル的な宇宙の楽しみ方、絵本の作り方についていろいろ考えさせられることがたくさんありました。また、金環日食に向けて、わくわく感が増してきました。点図の絵本、惑星などの模型が興味深かったです。

つくば市女性(聴・見常者)
人も動物も植物も、それに宇宙も同じ仲間だということ、実感しました。
マルチモーダル図書の完成までご苦労されたお話、工夫などとても興味深くお聞きしました。

2012年3月18日日曜日

3月10日(土)
幸和義肢研究所 の新社屋を見学・ご案内いただきました。

幸和義肢の方の案内を聞く

広い敷地の入り口から駐車場、建物入り口まで段差や階段は0。
建物正面全体の軒を広くとり、車で来た車イスユーザーも雨の日も濡れずに建物に入れます。

全面ガラス張りの玄関ロビー内から駐車場方向の写真

建物をつくる際のコンセプトは「誰にとってもやさしい建物」。
つくる前には優れたUD/BFな施設・建物をたくさん見学、それらの良いところを取り入れたのだそうです。

玄関ロビーの奥はガラス張り。
中では、義肢や車イスの職人さんたちがそれぞれのお仕事作業中。「職人たちの作業風景をよくみてもらおう」との考えからだそうです。

中に入って見せていただきました。

島ごとに成型や靴の皮貼りなどなどの作業をしている作業場

一人一人にあわせた靴や義足や車イスが、それぞれたくさんの工程を経てつくられています。
一人一人に合わせた=一つ一つ違うものをつくる、のは、根性がないと続けられない、まさに「ものづくり」の職人さんたちの世界。

採寸や試着をする部屋や、試しで歩いてみるコース、
スポーツ用義足を試す陸上競技で使う床材なども設置されていました。
義足や杖でいろんな道の状態を試してみるためのコース(屋外)

福祉機器の展示室では、多様な車イスや福祉支援グッズを拝見。
展示場にあるさまざまな車イスのお話を聞く

おどろいたのは、車イスユーザーの職人が車イスのメンテナンスができるようつくった、特注のリフト。
1メートル四方の台に車イスが乗り、台全体がリフトで1メートル以上上がっている

「これまで車イスの足元や裏側を見るのが難しかったけれど、リフトのおかげで一台全体を自分で見られるので良い」との車イスユーザーの職人さんの話でした。

このほかにも、どの部屋もコンセントが机の真上の天井からぶら下がり床にコードがなく、また、作業場でいろいろなものが必要でも床上に散乱することなく通路が確保されるなど、車イスユーザーも作業しやすい環境でした。コードの這わない、床上も整頓された作業場は、車イスユーザーのためということだけでなく、誰にとっても作業しやすく、整理整頓されて働きやすいんじゃないか、見た目もきれいだなと思いました。

他には、シューフィッターさんが一人一人の足を見て靴の中敷をつくってくれる工房や補聴器の部屋など、ありました。

職人さんたちが働く現場を見られることは何より貴重なことですが、ユニバーサルデザインの建物として、しかも、車イスユーザーが「働く」こともきちんと考えてつくられている『見本』のような場所と思いました。
福祉機器展示場には、入浴や移乗をサポートするグッズや、自分で食べることをサポートするグッズなども、実際手にとって見ることが出来るというところも、貴重な場所と思いました。

震災直後から被災地支援で出来ることは何かを考えて取り組み、現在は、作業場ででる「銅くず」を集めて換金し被災地を支援する、ということをしているそうです。職人さんたちもこれまでゴミとまざって廃棄していたものを拾うという、一手間かかることだけれど、積極的に取り組んでいるとのことでした。

幸和さん、ありがとうございました!

参加者の感想

・すごい技術で一人一人に合わせてつくっているのがよくわかった。
つくば福祉機器展やこちらの常設の展示などは、東京などにいけない人も居るので、近くで見られることが大切なので とても重要なことで有り難いと思う。
働く人にとっても良い環境を、というのがすごい。見学できて良い経験が出来た。ありがとうございました。

・道路をはいったところから玄関までフルフラットというのがすごい。
 どういう仕組みで可能だったのか?いろんな意味の良い見本と思う。

・義肢の工房いろいろみたが、ここまできれいで全体的にゆったり、展示場もゆったりみられるところがあるのはめずらしい。

・座面があがる車イスがあることに驚いた。

2012年3月2日金曜日

2011.11/12広瀬浩二郎さん「手学問のすゝめ」

共催講座    バリアフリーいっしょに楽習会
~さわっておどろく「手学問のすゝめ」~ 

筑波学院大学

2011年11月12日(土)13:00~15:30
筑波学院大学の学生さん4人を含め、25名の参加で行いました。

ロの字型のテーブルの周りに参加者が座り、囲まれた中で広瀬さんがお話中

広瀬さん中心で開催された、大阪みんぱくでの「ユニバーサルミュージアム」についてのシンポジウムのお話では、耳の不自由な方の参加申し込みがあり、方法として

『遠隔情報システム』
会場の音声をBluetoothマイクで遠隔地(その時は沖縄と長野)に送り、PC要約したものを会場で参加者が持つiphoneなどに表示する

方法だったそうです。

そのシンポジウム当日に、それまでメールでやりとりをしていた全盲の広瀬さんと耳の不自由な方が、会場で直接対面したときには方法がなくてやりとりが少し難しかった、メールでは「普通」に会話が出来るのだいうことに改めて気づいた、とのお話がありました。

お話しする広瀬さん

広瀬さんの楽しく軽快なトークの中、示唆に富むお話や考えさせられる話題がたくさんありました。

机をまわって参加者にモノをわたす広瀬さん

アイマスクが配られ、広瀬さん手ずから参加者に「鑑賞物」を配布。

アイマスクをしてモノを鑑賞する男子学生さん


参加者は交代でそれが何なのかを、さわって鑑賞、当ててました。

アイマスクをしたまま、音楽を鑑賞も、しました。
全身を耳にしてみなさん聞き入っていました。

参加者の感想
①いかがでしたか。
②特に印象に残ったことがあれば教えてください。

男性20代つくば市
①私自身視覚障害者(弱視)で、広瀬先生の話で共感できるところがたくさんありました。自分の盲学校時代を懐かしみながら聞くことが出来、とても有意義な時間を過ごせました。本当にありがとうございました。

女性40代つくば市
①先生が話し上手で楽しかったです。初めて参加しましたが、「触覚」でモノの形などを認識するのって難しいですね。
②自分の触覚の貧しさ
(さわっても全くなんだか想像がつかないものもありました)

女性40代つくば市
①今回3回目。毎回少しずつ内容が違って、毎回、イマジネーションが広がります、楽しかったです。
②全身でハグして見る!!すてきです!

女性40代つくば市
②・視覚障害者と聴覚障害者のコミュニケーションの話。
・さわって想像することは知的なこと。

男性10代土浦市
①楽しかったです。アイマスクをした人と一緒に歩くという体験はしたことがあったのですが、モノの手ざわりから視覚について考える体験は新鮮でした。
②美術館の話が出たときに、視覚がない状態でどう楽しめばいいのか、そういうことを考えると難しくなるが、考えた事がないことを考えるのは楽しかった。

男性40代石岡市
①視覚外の感覚は日常でも頼りにしているな、と改めて思いました。
②発想を楽しんでおられるのが印象的。

女性40代石岡市
①楽しいワークショップでした。アイマスク一つで触覚が研ぎ澄まされる感じがしました。
②音球がとても不思議なものに感じました。アイマスクをとったら想像と全く違うものだったのでびっくりしました。

男性20代東京
①著書を読んでから参加しましたが、実際に体験してはじめてわかることが多いと感じました。
②みえないところにとても多くの重要な情報があるということ。

男性10代水戸市
①アイマスクをしてさわってみるのが予想以上に面白かった。
②親指ピアノの手作り感がすごかったこと。

男性20代千葉県栄市
①日ごろから「視覚に依存した生活」をしていることが多いため、さわって楽しんだり、見えない中での音楽はとても新鮮でした。
②講演会後半、見えない中でもの(対象物)を触ると。
 見れば一瞬、というのが触ると全然分からなかったです。

男性10代阿見町
①さわってみて想像をすることがとても難しいことだと思いました。
②いろいろなところを触る感じが、すみからすみまで探ろうというような感じと似ているところが印象に残りました。

後日、参加してくれた筑波学院大の学生さんの体験・感想文が
常陽新聞に掲載されました。(2/16付常陽新聞から)

「さわる文化」に触れて

経営情報学科1年 土田 康平

筑波学院大学で昨年の11月12日に開催された、つくば市民大学・つくばバリアフリー学習会共催講座「さわっておどろく『手学問のすすめ』」に参加しました。実践科目の活動としては講座への参加が主で、私が協力できたのは、参加者のために案内用の掲示をすることなど会場の準備や後片付けだけでしたが、少しでも役に立つことができてよかったと思います。
 講座では最初に講師の広瀬浩二郎先生の「さわる文化」という講演を聴きました。先生は13歳のときに失明されたということですが、京都大学に進学し、現在は国立民族学博物館に準教授として勤務しておられます。著書も多く、大変な努力家だということがわかります。「目は見えなくなったが、その代わりにさわって見る豊かな文化に出会っている。目が見える人にこそそうした体験をしてほしい」と話されました。「目の見えない人にとって、芸術鑑賞とは作品に触れることだが、それができない美術・博物館が多く、やさしくない」とうかがって、触れる事のできる展示が増えていくといいと思いました。また先生が、「『握手』はコミュニケーションとしてとても重要だ」ということを話されたのが強く印象に残っています。
その後行われた「ワークショップ」では、アイマスクをして実際に物に触れたり、音楽を聴いたりしました。目で見る事ができないので、手で形や素材などを感じ取りながら、想像力を働かせて触れたものを理解しなければなりませんでした。手でさわって、時間をかけて物それ自体を感じるという、「さわる文化」を体験しました。音楽も、楽器や演奏者が見えないので、音を集中して聞くことになりました。
 視覚に障害をもつ方たちのことを理解し、自然に交流できるようになりたいと、このプログラムを選び参加しました。いつもは目に頼っていたことを手や耳に意識を集中させて感じるという今回の体験を通して、目が見えないという事とはどういう感じなのか、少しですがわかってきました。私たちの周りにいる視覚障害者の人やお年寄りに何かサポートする時役に立つ経験でした。このような講座があることをもっと多くの人達に知ってもらって、視覚に障害のある方たちと交流する機会が増えていくといいと思います。

2012年2月29日水曜日

2012、2/26 ジオネットの日イベントへ行こう!

2/26 エキスポセンターで行われた『ジオネットの日イベント』に
計4人で参加。

ジオネットワークつくば さん


混雑する会場の様子

サヌカイト風鈴作りなどなど、体験型の企画は大人気で大盛況。
Aさんに色などを選んでいただきながら一緒につくりました。

テーブルで製作中

サヌカイトという固い石で、楽器もできること、
素敵な音色がでるよう、今回の風鈴の石も、「石削りの職人」さんが
工夫をこらしながら、固い石を削ってくださったことなど伺いました。
できた風鈴はすんだ音色でした!

訪問にあたり、ネットワークに入っているつくば市民大学の紹介で、
ジオネットの事務局の方にコンタクトをとり参加させていただきました。
訪問前も、訪問時にも、丁寧にご対応頂きました。
お忙しい所本当にありがとうございました!

10/15救護用ベルト担架を体験しよう!

10/15 つくば市民大学キャンパスで、
スタッフ合わせて5名の参加で行いました。

はじめに使い方のDVDをみんなで鑑賞。
みんなでDVDをみている

この製品は

緊急時に、介護が必要なご家族と避難するにはどうしたらいいか、
というのがきっかけでつくられたそう。

この講座情報発信する中、
「救急車の担架(二本棒のもの)では、家の二階から移動できなかった」
という話も聞きましたので、コンパクトに使える(収納時も)ことも
大きなメリットのようです。

車イスユーザーに「被験者」になってもらい、体験。
床においた担架にのろうとしている

感想は、
・股関節が開かないなど、背負われるのが無理な人にはよい。
 それ以外なら、背負ったほうが早くて軽いと思った。
・人の重さを体の前で受けるのはやはりとっても重い。
 安全のためにも複数の人で行う必要。

ご覧になりたい方は、
市民大学のキャンパスにおいてあります。

7/31(土)マリーナ交流会

薄曇の日、3名の参加。
霞ヶ浦のバリアフリーマリーナ、「ラクスマリーナ」。

ラクスマリーナ入り口風景

モーターボートで帆引き船の待機する漁港まで行ってみることに。
車イスからモーターボートに乗り込む

疾走するボート、風圧と船体が斜めになるのとでドキドキしながら(>_<)笑 甲板のテーブルで笑顔の参加者

漁港の中。
帆をたたんだ帆引き船も係留されている港の中の様子

やさしく、おもしろく、力強い船長、
ありがとうございました(^-^)

船長と参加者でモーターボートと霞ヶ浦をバックに記念撮影