2009年9月25日金曜日

090920 田嵜裕季子さんの展覧会へ行こう!

13:45に市民大学キャンパスに集合。
車椅子ユーザーお二人、ろう者一人と4人の計7人。
自己紹介後、つくば美術館へ向かいました。

会場は3つのエリアに分けられ・・・


部屋中央のテレビで 田嵜さんの作品を見る。壁には立体コピー


第1は、田嵜さんの映像作品が流れるテレビが中央に一台、
それをかこむ3方の壁に、映像の一部を立体コピーで処理した立体写真が
ぐるっと一列で並べられているというスペース。
立体コピーでは、絵の解説をUDペンで聞くことが出来ました。

二つ目のエリアは、なんともいえない素敵な、植物たちの写真。
三つ目のエリアには、映像と音と、とある仕掛け(発見者はSさん!
教えてもらうまで私は分からなかったです)で、海岸に吹く風を
再現している不思議な空間。

田嵜さんに伺った展示の意図の通り・・・
第1で、ブラインドの方たちの、目以外のモノの感じ方を知り、
壁の立体コピーにふれて「さわって『見る』」を実感した後では、
植物の写真の中で吹く風や森の香りを感じたり、
潮騒と風の音を聞いて、でも実際には風をあまり感じない事が
とても不思議で・・・目で見る、だけでなく、全ての感覚を使って
そのモノを「見る」回路に自然に入っていたようです。
興味深い体験でした。

会場で手話で話をする参加者

会場では思い思いに作品を楽しみました。

9月5日にも参加くださった方が、時間をあわせて来場され
お声かけくださいました。


終了後、 田嵜さんを囲んでお話しました。

屋外のイステーブルで歓談する 田嵜さんと参加者

帰りも市民大学までみんなで歩きました。

なだらかそうに見えるスロープがかなり急であること。
平らそうに見えるブロックの道がでこぼこ・がたがたしていること。
歩道から車道へのスロープは、スロープにはなっているけれど
傾斜がきつくて車イスでは転倒する危険があること。

改修した新しい交差点の歩道の角にはほとんど段差が無く、
車イスも通りやすくなっている、でも蛍光ラインがあり
少し凹凸になっていて白杖ユーザーが気づきやすいように
なっていることなど、わかりました。

一緒に歩いてみてはじめて分かったことばかり。
ヒトって、自分の経験の範囲しか、なかなか想像できないものだと
改めて痛感しました。
が、だからこそいろんな立場の人同士の対話・交流が大事。


すばらしい展覧会の機会、また貴重なお時間とって
お話下さった 田嵜裕季子さんに感謝申し上げます。

2009年9月7日月曜日

090905 いっしょに楽習会 第1回

2009年4月に開校した
つくば市民大学
http://tsukuba-cu.net/index.html
との共催講座

バリアフリー・いっしょに楽習会
第1回 手と目で感じる立体模型~空間を味わい、形を造る~
手嶋吉法さん(産業技術総合研究所 デジタルものづくり研究センター)
を実施しました。

講座概要(つくば市民大学 共催講座案内)
http://tsukuba-cu.net/course_eventlist/2009/09/post-21.html

つくば近辺だけでなく、立川や新宿、遠くは、東大阪からの
ブラインドの方を含め、25名の参加がありました。
会場全体の様子手嶋さんが持ち込まれた立体模型は、
島状のテーブル3つそれぞれにいっぱい!
それは、それは、壮観でした。

パソコン要約筆記の協力は、
NPO法人PCY298(つくば)さん。
http://www.pcy298.com/
3人でパソコン入力。正面横の壁に文字が映し出される 手嶋さんの話をすばやく入力し、スクリーンに表示します。

クラインのつぼについて実演交えて説明する手嶋さん幾何学の話等少し難しいところもありましたが(>_<)、
できるだけ分かりやすくと心砕いてくださっての説明、
熱のこもった研究のお話に時間は、あっという間に過ぎていきました。 球の最大接触数問題を味わう模型をさわる参加者
休憩時間には、みなさん一斉に模型のテーブルへ。

テーブルに集まり模型を楽しむ参加者「この形は、きれいだね~」
「手触りがいいね~」
みんなでわいわい言いながら、手と目で模型を味わいました。

手嶋さんの解説で青く美しい惑星儀を味わうブラインドの方たち 正確なデータを元に作られた惑星儀。
色も、立体模型を作るのと同時に色づけされたものだそうです。
手嶋さんの解説を受けながら、手でじっくり楽しむブラインドの方たち。

質疑応答の時間は、時間が足りなくなるほど多くの質問がありました。

同じテーブルのブラインドの方に質問する参加者
参加者から講師の手嶋さんに、だけでなく、ブラインドの方の感想を聞きたいと
同じテーブルにいる方に質問したり、ブラインドの方の触覚利用について
他の方からアドバイスがあったり、参加者同士のやりとりもとても活発で
大変有意義な時間になりました。

参加者の感想より一部抜粋

・今日は、とても興味深いお話を聴くことができました。
 ありがとうございました。
 あのような模型は、触ったことがありません。
 ことばでは伝わりきれないものが、触ることでイメージが鮮やかになります。
 教材としてだけでなく、美術館や博物館にも設置してほしいです。
  (都内・女性・ブラインドの方)

・普段あまり接点のない分野の貴重なお話が聞けてよかったです。
 数学で立体が出来る、というこが新鮮に感じられた。
  (つくば市・女性)

・いろいろな模型をさわれて楽しかったです。
 「さわる」大切さを学びました。
  (つくば市・女性)

・質問コーナーで、”デコボコ”の強弱について、目の不自由な方の
 お話が聞けたことも印象深かったです。
  (市外県内・女性)

・(こんなすばらしい模型がたくさんある)産総研に住みたい!
  (東大阪市・男性・ブラインドの方)

090823 楽楽大学での車イス体験会

つくば市のNPO法人、スマイル・ステーション主催
8/21~23にデイズタウンで行われたイベント
「楽楽大学」の会場の一角をお借りし、
車イスユーザーのFさんとOさんの協力で車イス体験会を行いました。

お二人がこれまで使ってきた自走用の車イス計6台と、
つくば市社協から借りた、折りたたみ式の大人用1台と
子ども用3台を用意しました。

社協から借りてきたものは、車イスの空気圧が減っていましたが、
空気入れまで気が回らずに会場へ行きましたが、さすがのOさん、
そんなことだろうと、早速空気入れを出してきて貸してくれました。
車イスと空気入れは、切っても切れない大事な間柄と学びました。

一般の方数人のほか、スマイルステーションのスタッフの方や
授業の一環で参加した筑波学院大学の学生さんたちが体験。


車イスを用意する学生さんたち 学生さんたちの協力で準備中。

10×3メートルのスペースにコーンを立ててコースをつくって歩いてもらいました。
中には、店舗内を歩いた人もいました。

車イスに乗って同じ目線で話す ユーザーのOさんからいろいろ話を聞く参加者。

子ども用車イスですいすい こどもさんは、嬉しそうに乗っていました(^-^)

屋上駐車場の一角で体験 終了後、スマイルステーションの他のスタッフの方にも乗っていただきました。


仲良く話す車イスユーザーと学生さんすっかり車イスの乗り方も上手になり、仲良しになった学生さんたちは、
イベントが終わった後も、 名残惜しそうにおしゃべりしてから帰りました。

車イスに乗ってくださった方のご感想

・ 思ったよりも軽くて走りやすい
・ 車イスの方(Oさんのこと)がとても楽しそうでいいなぁと思った。
・ 通路にモノが多いと気づいた(邪魔で通れない)。
・ 一人で車椅子で移動していても、じろじろ見たりする人はいなかった。
  しょうがい者への意識が自然になってきているのは良い事。
・ エレベーターや入り口で、ドアを開けて待ってくれる人が意外と多かった。

体験会後、ユーザーのOさんから

   ひさしぶりに車椅子で遊びました。楽しかったぁ~!!
  学生さんやスタッフの方々限られた人数ではあったけど、
  一般の方も車イスを「見る.触る」だけでなく、
  「身体で感じる(一部やり過ぎもあったけど笑)」機会を作り、
  真直ぐに受け止めて頂いたことは、車イスユーザーとして
  本当に感謝しております。
  この様な機会がもっともっと多くなり、
  「可哀想」「大変そう」「自分は障害者じゃなくてよかった」から
  「カッコいいね」「おしゃれな車イスだね」
  「へぇ~!そんなことも出来るのかぁ~!!」
  に変わって行くことを願っております。

とコメントいただきました。

こちらこそ、車イスのこと教えてくださって
ありがとうございました! (^-^)

090712 学習会報告

時間 9:30~12:30
会場 筑波技術大学春日キャンパスミーティングルーム
筑波技術大保健科学部の学生さん6名ほか計19名が参加しました。

UDペン実演しながら説明する佐藤さんUDクリエイト
http://ud-cr.com/
佐藤さんからUD-Penについてお話いただきました。

佐藤さんから、本ご紹介

『五感の力でバリアをこえる』
成松一郎著 大日本図書
http://www.d-kobo.jp/10_37.html

第3章の広瀬浩二郎さんの活動を紹介する章で、
昨年、つくばで行われたワークショップの様子が説明されています。


『LLブックを届ける~やさしく読める本を知的障害・自閉症のある読者へ』
藤澤和子、服部敦司編著
http://www.d-kobo.jp/12_33.html

墨字本(普通の文字の印刷された本)では、読みにくい読者のために
どんな本が用意できるのか、外国の取り組みや、日本で導入をすすめる方たちの
活動がわかります。
肩を並べて話を聞く参加者のみなさん
ブラインドのTさんから「書類をスキャナで読むが、その後、たくさんの紙の
なかからその資料を探し出すのが大変。どれがどの資料なのかわからない」
とのお話。
続いて、参加者でわいわい、やり取りしながらお話進めました。

佐藤さんの開発動機・方針は、「安く、シンプルで誰にでも使いやすいものを。
ブラインドの方の『自分で出来る事』を増やしたい」とのことでした。

以下、UDペンの解説と実演の記録

鳥やカエルのイラストと、突起のついた音符記号音符をペンで
タッチすると鳴き声が聴こえる。(ペン後方から音が聞こえる)
ボリュームはダイヤル式で調節可能。

(鳥の図鑑のように)データを「聞くだけ」から、
「自分で入力できる」ペンへ進化=UDペン

データは4万ギガ。
電池は10秒の録音で6時間くらい可。

Q。一度の録音時間は?
A.制限なし。ボタンを押している間中、録音できる。

服への応用買った時に、色などの情報をタグにして付けることで
後から自分ひとりで服を選ぶことができる!
服につけられる洗濯できるタグも考え中。

いかに安く、簡単にでき、簡単に取り付けられるか。
フィルムでつくったボタンやダブルクリップ等の方法、
布に貼れる布シートも試したが印刷が消えていってしまうのが難点
・・・いろいろ試行錯誤されていた。

カレンダーにはって日ごとにボイスメモすることで手帳代わりにも使える。
ペンと、○○用シール、セットにして用意することも考えている。
8/1発売予定。

技術大、鍼灸の先生方との「経穴ペン」経穴を示した人体模型の経穴ごとにタグ、
その経穴の解説をUDペンで聞くことができる。

人体模型でなくても、経穴の名前タグにペンで触れると解説を聞くことができるので、
普段の部屋での勉強にもなると学生さんに大好評。
リクエストに応え「簡単な解説編」だけでなく「詳しい解説編」もつくった。


UD-Penについての感想

「資料整理に使えそうで期待大。借りて帰って使ってみる」

「技術からブラインドの方の生活がわかり興味深かった」

「今、佐藤さんが行っているユーザー側のニーズを集約していく、
というのはとても大事。経過、それからこれからも、ぜひ『記録』してニーズを集約し、
情報を共有化していけるといい」

「技術大の学園祭で、情報発信する場を企画したい」


学習会に参加した、技術大の学生さんの感想

「今まで、自分のブラインドの立場からしか見れていないことがわかった。
車イスユーザーの話や交通バリアフリーの話など実際聞いたのは初めて
だったのできけてよかった。これから多方面に見ていけたらと思う」

「いろんな方と話ができて楽しかった。いろんな人が居るので、
いろんな角度からモノを見る事ができてよい」

090620(土)マリーナ交流会

暑すぎず、風も吹いてマリンスポーツにぴったりな日。

土浦のラクスマリーナ
http://www.lacusmarina.com/

とびいり参加もあり、10人で楽しみました(^-^)

ユニバーサルデザインの、誰でもすぐ運転できるヨット
アクセスディンギーを、みんなで艤装(組み立てること)しました。


アクセスディンギーの横で説明を聞く参加者
交代で乗り込んで霞ヶ浦へ出発。
車イスからおりて乗船
OさんとOさん、快走中。
アクセスディンギー風を受けて颯爽と走る
カヌーは、まずパドルの使い方をレクチャー。
陸上でパドルを持って練習中
今日がカヌー2度目のTさん(ブラインドの方)。
パドルにさわって分かる印をつけ、前を漕ぐ人の声をヒントに
方向をきめ、力強くまっすぐ漕いで。
150メートル先の河口対岸まで漕ぎました。 幅広の安定性の高い一人乗りカヌーで力強く水面を進む
 
アクセスに乗ったOさん、次はカヌー。
車イスユーザーのOさんにとってカヌーはお手の物。
やはりカヌーは「水の上の車イス」
いや、実は、車イスが「陸の上のカヌー」!?
幅広の安定性の高い一人乗りカヌーに乗るOさん

釣竿用意していたのは学生のTさん。途中からブラインドのTさんがハマって熱中!

湖そばのイスで釣りに夢中のTさんをかこんで語らう

ゆっくりおしゃべりして霞ヶ浦の風を満喫しました!

参加者8人、笑顔で記念撮影