2008年12月6日土曜日
広瀬浩二郎さんのWSレポート
暗闇でさまざまな物に“さわる”「触文化」体験ワークショップ
手さぐり、手ざわり、そして手ごたえ
~「つるつるとしなやかに、ざらざらとしたたかに」生きるために~
を11月15日(土)、筑波学院大学の教室で行いました。
国立民族学博物館の広瀬浩二郎さん。
みんぱくHPhttp://www.minpaku.ac.jp/staff/hirose/
NHKきらっといきる 「行けば何とかなるさ!~フィールドワーカー広瀬浩二郎さん~」http://www.nhk.or.jp/kira/04program/04_190/01.html
「視覚障害者」という見方でなく、いつも触ってものを「みて」いる人=触常者ととらえ、だからこそ伝えられる“さわる”世界の創造的可能性を体験できるワークショップ。
6人ほどでテーブルを囲み、アイマスクをして広瀬さんのナビゲートでさまざまなことを体験しました。
中身は・・・次回参加されたときのお楽しみ。
参加いただいた皆さんの感想からご想像ください。
(アンケートにご協力いただいたみなさま、ありがとうございました)
アンケートの内容
①ワークショップはいかがでしたか。ご感想をお願いします。
②特に印象が残ったことがあれば教えてください。(いくつでも)
③ご意見などありましたらご自由にお書きください。
①このように、長時間見えない体験は、初めてでした。いつも視覚に頼っている部分が大きいことを、実感しました。今日は、アイマスクをすることで、視覚の部分をほかで補おうと、一生懸命考えたり、イメージしたり、何とか伝えようとしたり、今までにない力を使った気がします。広瀬さんのお話は、分かりやすくて楽しくて、いいですね!楽しかったです。
②触覚の力を、今からでももっと伸ばしたいと思いました。もっと耕したいと思います。隣の人と握手をしたときに、見なくてもいろんなことがわかってビックリしました。
③今後もぜひ、いろんな場で、このような体験ワークショップがあればいいと思います。ぜひ幅広くPRしてください。
(30代女性 茨城県)
①はじめての体験でドキドキでしたが、「楽しかった!」の一言です!はじめの緊張は、先生の笑い有りのお話で、とんでいました。新しい発見もあり、これから、考、交、耕を意識して生活していけたら私の中に眠っているものがおきるかもしれませんね。
②目から入ってくる情報が当たり前の生活の中で、みえないことが怖く感じました。でも、きいたり、触れたりしているうちに、どうやった らしれるのか、怖さより、興味のほうが大きくなってました。「見えない」では、なく、「みない」で、物事を見てみたら、違った見方 ができますね。
(20代女性 茨城県)
①普段は視覚に頼って生活しているので、聴覚と触覚だけで1時間過ごした経験は、貴重でした。モノを触って何であるかを考えるのは、難しいですが、時間をかければ、これまでの記憶を頼りに、判断できました。
②点字は、点の個数が増えると区別が難しいですが、慣れるとすらすら読めるということで、トレーニングすれば、触覚も鍛えられるのだと、感じました。
③このような機会が再びあれば、ぜひ参加したく思いました。
(30代男性 東京都)
①1時間、視覚を使わずに何かをする、考えるという体験は、強烈でした。障害体験などで、アイマスクをして歩くなどのワークショップはありますが、どちらかといえばそのメッセージは、「目が見えないとこんなに不便」という視覚障害に対する否定的な姿勢が支配的であるように思いますが、今回は、視覚を使わず、耳と触覚によることの豊かさを教えられました。
(30代女性 東京都)
①面白かったです。普段自分がどれだけ視覚に頼って生活しているのか、実感できました。見ることをしないだけで、触覚や聴覚に対する印象ががらりと変わりました。
②・目を使わないと、人の声がいつもより、よく聞こえた気がしました。
・音を聞いただけでは、どんな楽器か、まったく想像が付かなかった。
③次にワークショップが催されるときも、ぜひ参加したいと思いました。
(20代女性 水戸市)
①いろんな人たちと交流が出来てよかった。
②いろいろなものを、さわってイメージが出来てよかった。
(20代女性 つくば市)
①実際にアイマスクでいろいろなものをタッチしてみると、モノに集中して知ろうとする自分の意識にビックリ。
(50代男性 つくば市)
①はじめての感覚でしたが、隣の人との距離感や、物を受け渡す感覚は、意外とつかめるものだなぁと思いました。あっという間に終わった感じです。
②広瀬先生が、歩きながら話すので声の距離が変わるのが、あまり普段ない感覚でした。みえないまま、手の中にものがあると、いつまでもそのものの細部を探ろうとして、いじりまくっていること、みることは、何かを見ようとしなくても常にあるものなので、その代わりに、常にさわっていることで感覚を得てないと不安なのかも、しれません。
(30代女性 東京都)
①はじめての経験でかなり楽しめました。点字で文章が読めるようになるか。気長に遊んでみたいと思います。
(30代男性 世田谷区)
ワークショップ終了後、アンケートを書いてもらう会場。
ワークショップご参加の方が持参くださったものをみんなで体験させてもらいました。
目の不自由な人と一緒に釣りを楽しむNPOグローバリスジャパンさんhttp://www.npogj.com/
ウキにFM発信機を内蔵。魚がかかりウキが上下すると電波を発信、受信したFMラジオからぴっぴっと音が鳴ります。
つくば市在住の佐藤文信さんは「ボイスペン」の開発者の方。ご自身「日本野鳥の会」の会員でもある佐藤さんは、目の不自由な人も一緒に楽しめる鳥の図鑑作成にも携わられ、点字の文のそばに貼ってある紙のタグを「ボイスペン」で触ると、鳥の鳴き声と解説がペンから流れます。
技大『春日祭』参加レポート(5)
・おしえて てんじ
50代男性 つくば市
・タッチボックス/触って楽しむパズル
触れる鳥の模型、タッチカービングを作られている内山春雄さんhttp://www.geocities.jp/mdpsv036/
目の不自由な人も、そうでない人も一緒に楽しめるよう、木の箱の中に、あるタッチカービングが 入っていて、横から手をいれ、さわってみて、何かを当てる「タッチボックス」。
箱の上には、点字と墨字(普通の文字のこと)でヒントがあり、楽しみながらその鳥のことが わかるようになっています。
数読が好きだけれどパソコンの音声読み上げでは楽しみにくい、という目の不自由な方の意見を聞いてつくったのが実物の数読パズル。
点字と墨字で数字があり、枠に収まってコマがならんでいます。
おもちゃやさんに普通に売っているユニバーサルデザインのオセロ盤。 コマは盤に設置されていて、指でまわすと、緑の平面と、白と黒のコマ、計3面が交代で出てくるようになっています。白はつるつる、黒は同心円の溝が入っていて目をつぶっても分かります。
「コマをなくす心配がなくていい」「赤ちゃんが口に入れる心配がなくていい」ユニバーサルデザインは誰にとっても使いやすい、それを実感できるオセロ盤です。
2008年12月5日金曜日
技大『春日祭』参加レポート(4)
毎年、企画展「ハートフルミュージアム」を開催している
ミュージアムパーク茨城県自然博物館。
http://www.nat.pref.ibaraki.jp/index.html
その企画展がそのまま出張してきたような圧倒的な展示!
音で楽しむ、鳥や動物の声。
巨大なアンモナイトや三葉虫、恐竜のフンや足跡などの化石。
ニッケイやゲッケイジュの葉、ユズやカリンの実などは、
これらの展示はハートフルミュージアムでも見る(さわる)事ができるそうです。
技大『春日祭』参加レポート(3)
・産総研デジタルものづくり研究センター手嶋吉法さん達の立体モデル
実際の数値からモデル(模型)を作る研究をされている手嶋吉法さん達。
目の不自由な方も、触ることで理解しやすい模型を多数作られています。
(参考)08年開催された「幾何学教材と視覚障害者の立体認識シンポジウム」 http://unit.aist.go.jp/dmrc/ci/topics/symposium/index.html
実際に触ってみることが難しい、
①数字で表される抽象的なもの
②惑星など、大きいもの
③プランクトンなど、顕微鏡でみるもの を、手で触れる形・大きさにしたモデルが展示されました。
プランクトン。
普段は「見えない」、見えるとしても顕微鏡の中の 平面の姿・・・立体模型で見る骨格の形は 精巧でとても美しい細工のよう!
改めて生物、自然のすごさを実感しました。
来場者は興味津々。手嶋さんの丁寧な解説つきで
とても楽しまれていました。
来場者の感想
・地表(惑星儀)やプランクトンの模型が興味深かった。
20代男性(視覚障害)練馬区
・星や有孔虫が面白かった
70代男性 つくば市
・天体模型を触れてとても楽しかったし、改めてそれらに興味を持った。 20代男性(視覚障害)東京
・最先端技術がこのように身近に見られ感激しました。50代男性 つくば市
2008年12月4日木曜日
技大『春日祭』参加レポート(2)
快適さ、かっこよさが実感できる日常用車イスや
・アクセスディンギーそばの机には、地元で活動するグループの紹介
つくば市茎崎身体障害者福祉協議会さんhttp://www.normanet.ne.jp/~kukishin/
は、靴下をはきにくい人が楽にはける自助具など、生活の中の便利な知恵をまとめ、
紹介してくださいました。
技大『春日祭』参加レポート(1)
学生さんたちの模擬店ほか、
視覚障害の学生さんたちが使っている情報機器の紹介 画面の文字を一列の点字で表示。右の青い機械は、絵や表など平面を浮き出るドットで表示。
ボッチャ やブラインドサッカーの体験会
ステージでの発表 などがありました。
また、校内にミニMFラジオ局を開設。
放送を流し、学園祭の様子や学生さんのトーク、学生のリクエストに答えたり、盛りだくさんの内容でした。